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施術事例

施術事例

70代女性・膝痛のある方の施術

膝の痛みで、歩行や立ち座りに不安がある70代女性のケースです。
訪問鍼灸マッサージにおける20分間の施術内容とその流れを4つのステップでご紹介します。
加齢や過去の疾患、筋力低下などが原因で膝の不調を抱える方は多く、訪問施術はそうした方々の生活を支える重要な手段です。

70代女性・膝痛のある方の施術

膝の痛みで、歩行や立ち座りに不安がある70代女性のケースです。
訪問鍼灸マッサージにおける20分間の施術内容とその流れを4つのステップでご紹介します。
加齢や過去の疾患、筋力低下などが原因で膝の不調を抱える方は多く、訪問施術はそうした方々の生活を支える重要な手段です。

当日の体調確認と痛みのヒアリング(約3〜4分)

訪問先に到着したら、まずはその日の体調や痛みの状態を確認します。
この女性は、1か月前から右膝の痛みが強くなり、階段の上り下りや立ち上がり動作がつらくなってきたとのこと。初回訪問では既往歴(変形性膝関節症の診断あり)や現在の服薬状況も確認し、医師の同意書に基づく安全な施術を前提に進めます。
毎回の施術でも「今日は膝の痛みが強いですか?」「夜は眠れましたか?」「歩くときに引っかかりを感じますか?」など、細かく様子を聞き取ることで、適切な手技選択と刺激量の調整が可能になります。

膝を中心とした鍼灸・マッサージ(約10〜12分)

この女性の場合、右膝周囲の筋肉(大腿四頭筋、内側広筋、ハムストリングスなど)の緊張が強く、血行不良や可動域制限が目立ちました。そこで、以下のような施術を組み合わせて実施します。

・鍼施術:膝関節周囲のツボ(梁丘、足三里、膝眼など)に細い鍼を刺入し、筋緊張を和らげ、関節への負担を軽減。必要に応じて低周波通電(パルス)を併用し、筋肉のポンプ作用を促進。
・灸施術:冷えを感じやすい足元には温灸を行い、血流促進と鎮痛効果を図ります。特に膝蓋骨の内側(内膝眼周囲)には心地よい温熱刺激が効果的です。
・マッサージ:膝関節を支える筋肉を中心に、やさしい圧でマッサージを施します。硬くなった筋肉を緩め、可動域の改善を図るとともに、リラックス効果も期待できます。

施術はベッドや布団の上、または椅子に座った状態で行われ、ご本人がリラックスできる体勢を大切にします。

膝の可動域訓練と歩行動作のサポート(約3〜4分)

施術後は、ほぐれた状態を活かして軽めの関節運動を行います。仰向けや座位での膝の屈伸運動や、足首の回旋、軽いストレッチなどを取り入れ、関節の動きや血行をさらに促進します。
この女性の場合、正座はできないものの、軽く曲げ伸ばしを繰り返すことで膝周囲の柔軟性を保ち、拘縮の予防を目指します。また、椅子からの立ち上がり動作を一緒に行いながら、痛みを避ける身体の使い方もアドバイスします。

終了後の確認と生活指導(約1〜2分)

最後に、「今日は膝の動きがどうだったか」「痛みの変化があるか」などの確認を行い、必要に応じて生活上のアドバイスを行います。
たとえば、「冷えないようにレッグウォーマーを使いましょう」や「椅子の高さを少し変えると立ちやすくなりますよ」といった、日常に取り入れやすいヒントをお伝えします。
ご本人の理解度や生活環境に合わせて丁寧に説明することで、セルフケアへの意識も高まります。

おわりに

このように、訪問鍼灸マッサージでは一人ひとりの状態や悩みに合わせた施術が行われます。
たとえ短時間であっても、継続的なケアによって痛みの軽減や生活のしやすさにつながり、ご本人の安心感にもつながります。膝の痛みを抱える方にとって、自宅で受けられる安心・安全なケアとして、訪問鍼灸マッサージは非常に有効な選択肢です。